あそぶ、つくる、くらす

Pasted Graphic 7
 
本屋さんでプロダクトデザイナー関連の本がたくさん並ぶ中、偶然、吸い込まれるように手に取った本といい出会いを感じました。
この本の著者、五十嵐威暢さんはデザイナーとして国内外で25年活動後、つくることの意味をもう一度考えたいと思い、彫刻家に転身し、米国から帰国後、三浦半島の秋谷に住居とアトリエを構え活動を続けている方です。
 
shapeimage_1

「あそぶことも、つくることも、くらすことも古代からの人の営みであり、特別なことではない。これらのことは生きていく上で自然に行われてきたことで、互いに連携したひとつのことである。
分業化が進んだ今日、基本的にひとつであったものが、バラバラになった感がある。人は遊びの心を忘れ、つくる機会を失い、くらしさえもが既製品化されて、それらを買うという行為の中に組み込んでしまった。
人生はもっと刺激的であり、楽しいものであることを見失っているように思う。
僕のぼくの彫刻家としての活動は、『あそぶ、つくる、くらす』を、ひとつのものに再構築すること。
それは大人にとっても極めて大切なことだと思う。」

この「まえがき」を読み、この一冊の中に今の私が探しているであろう言葉が見つかるような気がしてすぐに本を購入しました。
本文中にはこう書かれていました。

「贅沢なくらしが、豊かであるとは限らない
 むしろ反対のことが多い
 
 素朴で、自然で、美しく、やさしいものに囲まれる幸せ
 モノはきっかけにすぎない
 意図しない普通の営みの中に
 あるいは、常識を超えた次元の中に真実が微笑む
 
 子どもたちがそうしているように
 人はあそぶこととつくることを通して
 いつのまにか自由を獲得し、豊かなくらしを手に入れる」

この本の中では、他にも、五十嵐さんの仕事とくらしに対する考えや生き方、それに取り組む、強く、かっこいい姿勢が語られていますので興味のある方は読んでみてください。

『あそぶ、つくる、くらす 五十嵐威暢・著』
http://www.mh-unit.com/designshop/cdrom.book/asobu.html