Fitting Model

Pasted Graphic 12
 
注文靴の場合も手づくり靴の教室の時もまず、フィッティングモデルの制作をします。
フィッティングモデルとは本番をつくる前に違う革でイメージを形にしたり、本物と同じように裁断し、ミシンをかけ、つり込みをし、実際に足入れをしてフィット感を確かめるための靴です。二度手間で面倒だと思うかもしれませんが、この段階で足に合わない箇所や微妙なラインなどのデザインをチェックし、型紙を修正しますので、一足の良い靴をつくるためにとても重要な工程となります。
足を細かく計測して作っても、一度で完璧なことはほとんどありません。
形のとりにくいデザインの場合はあらかじめ、かなりラフに作っておき、足に合わせながら形を決める場合もあります。
フィッティングモデルは本番の靴をより完璧に近づけるための靴ですから、本物のように厳密につくることに重きをおくより、一度、形にしてからも切ったり、つけ直したり、できるだけ自由自在にできた方がいい場合が多いです。
例えば、このモデルは次回フィッティング予定の方の靴ですが、クロスストラップはミシンをかけずに取り外しがきくように接着にすることで、足に合わせて角度や長さを容易に変える事が出来るように作っていたり、ストラップの留め具にはマジックテープを使っています。
ただし、
もちろん、いつでもラフにつくっておけば大丈夫!なんてことはありません。履き口の広めの靴やタイトにつくりたい場合などそれぞれの事情に応じて、裏革を張り、カカト芯や先芯を入れてつくる時もあります。

その時々に合わせて、思考し手を動かす。

これが、分業でなく、ひとりの手でつくるからこそできる仕事です。